【村上・笹川流れトライアスロン⑤:北の湖】2018/10/04

 「北の湖」は金沢を舞台にした井上靖の名作
 それにしても、アタシには友人が居なければ知人も居ない。周囲をみるとみんなニコニコ話しながら楽しそうに準備をしている。
 それでもアタシにはここでヤラなくちゃいけない重大なミッションがある。
「空気入れ」だ。アタシは、荷物になるから持って来ないで他人から借りることにしている。
「他力本願:浄土真宗」かどうか知らないが、見ると空気入れなんか、そこら中にあるので、気の弱そうな輩を見つくろって空気を入れさせてもらう。
 <やる気ない>とか、言いながら、こわごわスタートラインに近づいてゆくアタシ。
 スタート地点にバイクやらなんやらと荷物を運びこむと、更にドキドキしてくる。
マラソンだと、そんな事無いのに、トライアスロンは何度やってもダメだ。
 7時頃に到着してから、何だかんだモタモタしている内に8時。
 試泳の時間だ
 鉛色の空と海が、「始まっちゃうよ−、そろそろスイッチ入れないと」って言いながらアタシの方をみてる。
しかたないので、ウェットスーツを着て泳ぎに行く準備をする。
会場にいるスタッフの人に頼んでウェットスーツのチャックを締めてもらう。(S:スタッフ、A:アタシ)
A:「すみません、ウェットスーツのチャックを締めてください」
S:「あぁ、良いですよ・・・・キツくないですか?」
A:「キツイです。」
S:「・・・」
A:「ありがとうございました」
友達、知人の居ないアタシはコレを最後に宿に戻るまで誰とも話をしませんでした。
 今回は新しくかったウェットスーツ(安いッ!)
 これまでにプールで2回ほど泳いでいるので問題ないが、海でのデビューは始めてだ。
波も風もないし、塩水である分だけよく浮かぶ。
 ヘッドアップもプールよりやりやすい気がする。
<こりゃぁ、ひょっとすると、ひょっとするかもよ>なんて、一人でニヤニヤする。
つづく:【村上・笹川流れトライアスロン⑥:悪いが、未だ引っ張る】

【朝輪:30キロ+チューブラーのバッグ?】2018/10/04

 それほど、草臥れてるわけではないと思うのだが、起きられずに遅出
涼しくていい感じですが、こういう季節は余り続かないですぐに寒くなりそうな・・・
パンクしてしまった、チューブラー。
中身のチューブは治してスペアとして再利用。
外側で、バッグを拵えてみました。
 内側を作って、エンブレムなんかつけたら完成かな。
通勤用にするつもりで作ったけど、ちょっと変かなぁ

【村上・笹川流れトライアスロン⑥:悪いが、未だ引っ張る】2018/10/04

 試泳を終えて帰ってくると、アタシのバイクの隣に別のTTが掛けてある。
MERIDAの本格的なヤツ。<これ、結構高いぜぇ>
 一体、どんな奴が乗っているのか見ると、冴えないオヤジだったが、まぁ、金は持っていそうだ。
アタシのバイクの後ろには丁度ベンチがあって、おあつらえ向き座って過ごすには丁度いい。
 そこにMERIDAの友人みたいな別のオヤジがやってきて話しているのだが、金(gold)を何千万かで買って、グラム4円上がったから売って、いくらか儲けたとか億単位の金の話をしている。
 コイツには負けたくない。
 ここ、村上トライアスロンは、一般の部に先立ってエリート部門のレースが開催される。
まぁ、あたしだってある意味エリートなんだけど。
 このエリートなる連中は全日本のメンバーで、男子は9時40分、女子は9時50分にスタート
その後、一般の部が10時過ぎてからスタートしてアタシのスタートは10時36分
 まだ、だいぶ時間がある。
 チョイト見ると、例のMark,Sが居た。
背の高いアングロサクソン系だが、まぁ、若々しい訳じゃァない(アタシと同じ年)。で、痩せてる。
トライアスロンの猛者は案外ガッチリしているヒトが多いが、薄くて強靭は鋼を連想させる。
 彼を見ると、モット絞らなきゃなぁって思う。
 さぁ、いよいよエリート男子のスタートだ。
彼等は750メートルのスイムを約8分ほどで泳ぐ、ハッキリ言ってアタシの半分の時間だ。
 それに10分遅れて女子。
 アタシが10時36分のスタートだからエリート男子が出てから約1時間後のスタート。
 実は、アタシが泳ぎ終わる頃には彼等はもう、ゴールしてた。
<まだ30分もあるじゃないか>って残ったアンパンを食べてからもう一回トイレ。
スタート前なら、何回でもトイレに行ける自信がある。
 それにしても皆、なにそんなに急いでいるんだぁ・・・
 みんな、続々とスタート地点に向かっている。
あとで、気づいたのだが、スタート直後のバトルで、優位な位置を確保するためだったのね。
もう、完全にスイッチが入った、というか諦めた・・・俎上の鯉状態です。
つづく 【村上・笹川流れトライアスロン⑦:swim/アタシは悪くない】

【村上・笹川流れトライアスロン⑨:Run/無謀な選択】2018/10/04

 まぁ、swim、Bikeと散々な結果に終わったが、実はRunには少し自信があった。
が・・・・
 『【村上・笹川流れトライアスロン③:勇気ある決断】』とか、カッコつけたまではよかったのだが、Bikeを終えてRunが始まる前に、ペットボトルのスポドリをがぶ飲みした。
「美味い!」給水無しでBikeを頑張ったんだから文句ねーだろーぐらいの勢いというか、計量を終えたボクサーみたいに飲んだ。
 で、Runのスタート。
 直ぐにお腹が痛くなった。このお腹の痛くなり方は、明らかに一気に水を飲んで走り出したからだ。
 マズッ、失敗した。が、もう、遅い。
 それに、バイクの後半は調子が出てきて時速四十キロ近いスピードで走っていたのに、ランが始まると、とたんに時速10数キロまでに落ちてしまう。
 なんだか、自分がすごく遅い気がしてガッカリ。しかし、頑張らねば・・・・でもお腹が痛い。
うー・・・
 それでも、前に居る人はバンバン抜き去った。アタシから観ると、みんな殆ど歩いているようにしか見えない。
 お腹の痛いのを我慢しつつも、1キロ4分半をきるスピードで走っているとガーミンは言っている。
 エーホントなの?全然、そんなスピードで走れているとは思えないんだけどー。
 確かに、前に居る人は殆ど抜いた。一人だけ抜かれたのを覚えているが、それ以外は全員抜いた。
 後から記録を見ると、6キロチョイのランで百人ぐらい抜いている。
 今回はスプリントということで距離は短かったけど、それでもトライアスロンはそれなりにシンドイ。最初の1キロ、2キロ・・・1キロごとに標識が出てる。3キロの標識を見落として気付いたら4キロ。5キロを過ぎれば終わったようなもんだ。
 最後はどういう形でゴールするのか解らなかったが、気が付いたときにはゴールのゲートがあって、ラストスパートするまもなく終わってしまった。
 結局一時間半のレースだった。七万五千円で、一.五時間。時給五万円である。
 なんか、『ヤラレターッ』みたいな憔悴感は全く無いが、まぁ、ホットした。
 このゴールの周囲には食べ物や飲み物を用意してくれていて、選手は全てフリー。
話によると、ビールも飲み放題だと思ったが、ノン・アルが置いてあるだけだった。
 カレーも食べたかったけど、すごく並んでいたので止めた。結局、水だけもらって帰ることに。
 会場の近くに水のシャワーが用意してあるので、身体をそれで流して着替えてスタート地点に戻る。車にバイクを詰めて旅館にもどり、荷物を置いてからレンタカーを返却。
あー、めんどく臭い。

【村上・笹川流れトライアスロン⑦:swim/アタシは悪くない】2018/10/04

 エリート(アタシもある意味エリートなんだが)部門がスタートして一般の部は十時二十分に第一ブロックからスタートする。
十時を過ぎるとブロックごとに選手が集まりだして、ニコニコしながらも一ミリでも有利な場所を確保しようとしているのが分かる。
アタシは、<未だ三〇分もあるじゃねーか>って感じで、後ろの方に座っている。
 もう此処まで来てしまうと、中止になることなどない。それでも、スイッチを入れ遅れてしまった影響かなんだかノンビリ構えてしまっている。
 それでも心臓のバクバクするような緊張感は時間と共に高まってきて・・・あートイレ行きたい。トイレに入ってレースが終わるまで出てきたくない。って、そんな感じ。
 石垣でスタートしたときはガツガツと、前の方にシャシャリ出てスタート同時にダッシュしてグループの先頭を泳いだのだが、何だか控えめになってしまってる。年取ったのかなぁ。
 そうこうしているうちに第一ブロックがスタートした。。
第二ブロックは、四分後、四分開くと二〇〇メートル以上差が開く。これは結構良い。
 石垣は一分間隔だったから、すぐに団子になってしまう。石垣のスタートの時にはガツガツ前に出てスタート直後は先頭を泳いだのだが、なんだか普通にスタートしていきなり雑踏に巻き込まれてしまった。
 新しいウェットスーツも、よく浮かぶからヘッドアップがやりやすいとか、楽観的なイメージはスタートして五秒もしない内に何処かへ飛んでいってしまった。
 トライアスロンのSwimで気をつけたいのが、泳ぐ方向を間違えないこと。無駄な距離を泳ぐことが無いように、コースロープの横をそれに沿うように泳ぎたい。
 どうにかコースロープ沿いまでたどり着いたのだが、コースロープには派手なフロートが余り付いていない。タダの紐に近いので、コースロープを目印にすると言うより、コースロープを探しながら泳ぐことになってしまう。「イカン、コースロープが見えない」
 仕方ないのでヘッドアップで前方の折り返し地点の大きなフロートを目指すが、これも白くて見つけにくい。赤とか黄色とかにしておいてくれればいいのにぃ。
 あまり、バトルに巻き込まれて蹴られたりとかは無いのだが、どうも抜かれる方が多い。
 アタシがいる第五ブロックは黄色いキャップを被っている。その後ろの女性軍団は赤いキャップ。
 ターンしてしばらくすると、赤いキャップの選手がポツポツとアタシを抜いてゆく。
「あーもう、何よコレ!」
 遥か前方に見える白いヴイに向かって泳ぎながら、あー、やっぱり、オレ泳ぐの遅いわ。と、しみじみ実感する。
 この時点で、タイムは分からないが、どうみても抜かれる数のほうが多い。
 先月だってプールで一万メートル以上泳いでいるし、周りでアタシを追い越していく連中がアタシより練習しているはずなんかない。じゃぁ、なんで遅い。石垣を泳いでいるときはこんなじゃなかった。何が違うんと言うんだ!
 泳ぎながら、こんな事を考えている。
 <そうだっ!ウェットスーツが悪い>新しく、今回投入したウェットスーツがよくないんだ。石垣の時はロングジョンで泳いでいたが、今回はロングスリーブのフルサイズだ。
 そう言えば、泳ぎ終わったあと、どうにも肩周りが重い感じがした。うーん、ウェットスーツが悪い。アタシは悪くない。
 今まで着ていたロングジョンのウェットスーツは胸周りがきつくなってしまった。下北沢のショップは直してくれると言っていた、いくら位で直してくれるんだろうか。泳ぎながらこんな事考えている。
 ともあれ、速く泳げない理由は見つかった。しかも悪いのはアタシじゃなくてウェットスーツなんだから、次回頑張ればイイ。今回は仕方ない。
 こう考えると、機が楽になる。気を撮り直して最後のヴイを右折する。後百メートルほどで、ゴールか。
 結果、Swimには十六分もかかってしまった。
 石垣は千五百メートルを早い時は二十八分で泳いでいたのだから、その半分の距離なら十二、三分で泳げてよさそうなのだが、これは遅すぎた。
 ただ、泳ぎ終わってからウェットスーツの脱皮にやたらと手こずってしまった。ウェットスーツを脱皮するときはそのまま裏返しにして脱ぐ。普段は脱ぐにくいのだが、泳いでいる内に内部に水が入り、以外に簡単にツルリと脱げる。これはプールで泳いだ時に検証済みだった。
 ところが、足首が美味いこと抜けない。ツルリと行かずに随分と手こずってしまった。
 プールだと、一時間以上泳ぐので、ウェットスーツのなかまで十分に水が通るのだろうが、今回は十数分しか水の中に居なかったので足首まで水が回ってきていなかったのかもしれない。ウェットスーツ着る前に良く水を内側に回しておけばよかった。
つづく 村上・笹川流れトライアスロン⑧:bike/自分に優しいアタシ】